Dec 11, 2020

ヨガとトラウマ

先月末、オンラインで10日間のクリパルヨガ教師トレーニングを受講しました。
アドバンストレーニングのようなもので、2017年から受講を始め、今回はいよいよ4回目の、最後のモジュール。

内容は「特別対象者向けのヨガ指導」で、心や体の疾患やトラブルを抱える人、マタニティ、ティーンエイジャーなど、特別な配慮を必要とする人にどのようにヨガを伝えるか、どのようにヨガが生かせるのかを主に学びました。

本来ひとつのテーマで数十〜数百時間学ぶようなものなので、本当にざっくりと。
どんな生徒にも対応できるよう最低限の知識や理解を得るため、そして興味のある分野が見つかれば、そこからさらに専門的に学んでいくとっかかりになるように、といった感じです。

 
私はトラウマを抱える人に向けたヨガに特に惹かれました。
以前から興味があって多少勉強はしていたけれど、PTSDまでいかなくとも、過去に受けた心の傷により「今」がニュートラルに体験できなくなること、そして本来持っているその人の魅力や独自性が失われてしまうことってものすごく多いのだと、改めて感じました。

そしてクリパルヨガは、そういった人をエンパワーするツールをたくさん持っている。
今に存在すること、体との繋がりを取り戻すこと、自分を受容すること、そして自分で選択すること。
自分には選択する力があるのだということを、思い出すこと。

私自身、これまでのクリパルヨガの体験の中で、そんなふうにして自分を取り戻していったのだと思います。

 
トレーニングの最中、過去の傷ついた記憶が蘇ってきた瞬間がありました。
そのときの感情をひとしきり感じきったあとに湧いてきたのものは
「私は大切にされてもいい」
という思い。

思い出したくない記憶や感情が呼び起こされるとき、わたしたちはそれを、どこかに追いやろうとしたり、蓋をして隠してしまおうとしたり、なかったことにしようとして、そうして光だけを見ようとしてしまう。

だけど心の奥底、体の奥深いところにしまいこまれた記憶や感情は、思い出してもらうのを待っている。感じてもらうのを待っている。

思い出したくない記憶や感情が呼び起こされるとき、それは決してネガティブな体験なのではなく。
それは、癒されるために起きてくるのだろうと思います。

毎日朝9時から18時、座学やヨガや瞑想、そして仲間とのシェアリングを続けていると、だんだんと自分の内側深くに触れていくようで、トレーニング終盤に、もうひとつ思い出したことがあります。

それは、10年以上前、東京のクリパルヨガのスタジオに生徒として通いだしたころのこと。

先生やクラスの参加者はみんなキラキラしていて幸せそうに見えて、当時、まだ精神科クリニックに通っていた自分とは住んでる世界が違うと感じていました。

でも実際には、何の問題もなく日常を送っているように見える人でも心や体に何かしら抱えていることがあって、だからこそヨガを必要としている人もいるのだと、次第に理解していきました。

 
自分が特別不幸だと感じていたあのころ。
ともすると特別な人だと思われてしまうこともある、今現在。

だけど本当は特別な人なんて存在していなくて、私も、あなたも、あの人も、ただの人。
誰もが特別ではなく、同時に、唯一無二の存在。
たぶん私は、そんなことを伝えたくて、ヨガティーチャーをやっているのだろう。

今回学んだたくさんのことは、少しずつ消化して、クラスに生かしていきたいと思っています。



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